ニコルス孝子
TAKAKO NICHOLS
・ファスティングマイスター
(分子整合医学美容食育協会)
・分子栄養医学認定カウンセラー
・心理&栄養PNTトレーナー
・発酵食健康アドバイザー
・料理研究家
・ヘナインストラクター
私と多発性硬化症(MS)
私が多発性硬化症と診断されてから今までどの様な経過をたどり、現在投薬なしで過ごしているかをシェアしたいと思います。今現在この病気や難病で苦しんでいる方々のお力に少しでもなれたり、希望を持って今後の治療や生活に活かせて頂けたら幸いです。
多発性硬化症(たはつせいこうかしょう、英: multiple sclerosis; MS)とは中枢性脱髄疾患の一つで、神経のミエリン鞘が破壊され脳、脊髄、視神経などに病変が起こり、多様な神経症状が再発と寛解を繰り返す疾患で、日本では特定疾患に認定されている指定難病である。(ウィキペディア(Wikipedia)より抜粋)
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私がイギリスで生活をしていた2008年のある日、風邪に似たような症状で体調が悪くなりました。
普通の風邪だと思い、自宅で療養していましたが、一向に良くならず、日に日に体に力が入らず、歩くのもままならない状態になっていきました。手足が痺れ、お箸も持てなくなり、体中の感覚がなくなっていきました。
イギリスの医療制度は無料なのですが、専門医に会うのに数週間から数か月かかる為、日本へ行って検査をする事を決め、帰国したのですが、その間数週間ほど、初めの症状が出始めてからすぐに友人に勧められた鍼灸の先生の所へ通い、週2,3回は治療を受けていました。
そして、ネットでこの症状の病気を探してもどれなのかが一向にわからず、イギリスのホームドクターも「甲状腺の病気かもしれない、だが検査をしてみないとわからない」と言われ、途方にくれたのを覚えています。
それまでの私の生活は、仕事がものすごく忙しく、3つの仕事を掛け持ちしており、睡眠時間3,4時間なんてこともざらでした。プラス週末は友人たちとパーティー三昧。
食生活もお酒の量が多く、自分の好きなものだけを食べる生活。今思うと典型的な現代型栄養失調状態だったと思います。
日本に行くまでの間、徹底的に生活習慣を変え、マクロビオティックを勉強して、食生活を玄米菜食に切り替えました。
多発性硬化症は自己免疫疾患の病気です。そして、自己免疫疾患の病気は腸の状態の関わりが強い病気なのです。
日本人に合うマクロビ食で一度腸の状態を良くして、体に必要な栄養を補うべきだと判断して徹底しました。腸は第2の脳ともいわれ、免疫力の7割を作る器官。その腸内環境が良くないために炎症が起きていると考えました。
そして、その数週間でみるみる体調が良くなり、何とか一人で歩けるまで回復し、痺れも少しづつ良くなってきました。
それから日本に行きMRI検査などを受けて、多発性硬化症と診断を受けましたがその時には痺れや歩行困難は少しづつ良くなってきていたので、先生の進める免疫抑制剤のお薬は飲まずに、食事療法と生活習慣改善で治していこうと自分で決めました。
その後もマクロビを2年ほどやり、お野菜をたくさん食べ、仕事も自宅でできる仕事のみにして、睡眠もしっかりとる様になったらどんどん回復していき、痺れも顔に少し残る程度にまで回復しました。ただ、マクロビを続けるには身体が貧血状態になってしまい、この頃からお肉も食べる普通食に戻していきました。
食にはなるべくこだわり、イギリスでは手に入りやすい、自然栽培の物を心掛け、お肉や魚、卵も産地や飼育方法などに気を付けて、ヨガもはじめて自分の体をいたわる様にしました。
その後、妊娠、出産をして出産後に再発の可能性が高いと医者にも言われていたのですが、再発もなく約10年が過ぎました。
自分でもこの病気のことは頭の隅にはあるけれど、特に気にすることもなく生活をしていましたが、2017年に19年間住んでいた大好きなイギリスから日本へ引っ越す事となり、とても寂しい思いをし、精神的に落ち込んでしまいました。
その数か月後に突然右目に黒いもやがかかり始め、日に日に右目の視力が奪われていきました。すぐに病院に入院し検査をしましたが、検査の最中に右目は殆ど見えなくなり、絶望したのを覚えています。
MRI検査の結果、多発性硬化症の再発で今回は視神経にでてしまったのです。。両目が見えなくなったらどうしよう。。と毎日恐怖でした。
やはりストレスが原因の再発だったようです。
すぐにステロイド投薬治療を受け、そして、幸運なことに右目の視力がほぼ回復しました。
今でも左右の見え方に色味の違いは多少ありますが、視力的にはほぼ戻りました。
やはり、この病気はまだ私の体にあったのです。今回もお医者様に免疫抑制剤をすすめられましたが、現在は特に体に症状が出ていないのと、入院中にうけたステロイド治療/パルス治療で右目も回復したので、今後も食事療法と生活習慣を徹底することで、自分で管理していこうと決めました。
私はお薬をやみくもに否定しているわけではありません。必要な時は飲みますし、ただ、今の医療では「症状がでたら薬で抑える」このシステムに少し疑問があります。あと、本当は必要でないのに出すお薬にも。
私はなぜその症状がでているのか?を考えてみたいのです。これからは西洋医学と分子栄養学、代替療法や伝統医学、東洋医学などを組み合わせて行う統合医療が必要ではないかと感じています。
今回再発して、回復が早かったのにはもちろんステロイド治療もありますが、日本に来てからはファスティングで体調を整えていた事も関係していると感じています。
退院後は「食プロ養成講座」にて分子栄養学を学んで、体の構造からどういった栄養素が必要なのか、腸と自己免疫疾患の関わりなど、今現在は「分子栄養学実践講座」にて最新の分子栄養学を日々勉強中です。
それに伴い、自分でも食生活を維持するために腸の状態を整えるレシピを考え、「腸から健康に!」をモットーに料理教室をさせて頂いています。そして、ファスティングマイスターの資格も摂り、できれば年に3、4回はファスティングをやり、デトックスを心掛けています。
私の多発性硬化症の症状は軽度だったのかもしれません。たまたまラッキーな事に後遺症がないだけかも知れません。でも絶対に言えることはこの病気になって「自分を大切にする」事を学びました。
この病気になっていなかったら自分の体を労わらずに暴飲暴食していたかも。毎日夜更かししてお酒飲んでばかりいたかも。
こういう風に書くと私は体にいいものばかり食べているようですが、今でもたまには市販のお菓子や昔好きだった湖池屋のりしおやチキンラーメンなんかも食べますよ。笑
ただ、自分の中に軸が出来たので、その軸がずれてきたなと思う時にどういうものを食べて戻すのか、身体に足りていない栄養素は何かがわかってきたのです。
ファスティングで食のリセットができること。これは自分にとって必要不可欠なものですね。
ドイツのことわざで「断食で治せない病気は医者でも治せない」フランスのことわざでは「断食はメスを使わない手術である」といわれるくらい凄い効果があります。
ファスティングに出会えて本当に良かったと心から思います。
人間の体って入れ物でみんな同じものを食べていればロボットのように同じく健康になれる訳ではないのです。
その持って生まれた体で強い部分もあれば弱い部分もある。そこを見極めて、体の声を聴いてあげる、イコール今出ている症状を見てあげる。症状=体が教えてくれてるサインなのだから。
私が多発性硬化症になる前にも身体が沢山サインを出してくれてたはず。
それは朝疲れて起きられなかったり、頭痛があったり、湿疹がでたり、生理痛がひどかったり、などなど。。
あと、どんなに食事や生活習慣に気を使ってもストレスや精神的に辛いことがあると、体はまたそこでサインを出してきます。
そのサインを無視しているとある日身体が大きなサインをだす=「病気」だと私は思っています。
この先、また再発があるかどうかわかりません。
ただ、再発があっても自分に出来ることはやってきたつもりなので後悔はないと思います。
そうならない様にこれからも自己管理はしていくつもりです。
身体って毎日一生懸命働いてくれてますよね。一年中ノンストップで!本当にありがたい。
身体の細胞達はすべてを知っていて私たちにサインを送り続けているのです。
そして、その自分の身体を労わってあげられるのは自分しかいないのです!
それに気づけた事だけでもこの病気になった意味があったのかなと思います。
2020年2月
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追記:PNTトレーナー講座(Phycology Nutrition Therapist心理栄養学セラピスト)を受けて、改めて心と身体のつながりの深さを実感しています。
私達の思考がどれだけ身体に影響を与えるか。思考によって出る症状が変わる事も学びました。
やはり自分に向き合って内観する事が健康維持にも繋がるのです。
2022年5月